「持ち家を買ったあと転勤になって、どうすればよかったんだろう…」
「ローンを組んでみたら毎月カツカツで、NISAに回せるお金がなくなった」
公務員家庭に特有の事情から、持ち家を買って後悔するケースは少なくありません。
FP資格を持つ夫と公務員家庭として、実際に持ち家購入を検討し・調べ・最終的に賃貸継続を選んだ私たちの本音を交えながら、後悔しやすい5つの理由をまとめました。
この記事を読むと、「公務員が持ち家を買うべきタイミング」と「避けるべき落とし穴」が具体的にわかります。
※2026年5月時点の情報です。制度・金利は変更になる場合があります。
後悔の理由①転勤で身動きが取れなくなった
転勤は公務員の宿命、でも持ち家はそこから動けない
国家公務員・一部の地方公務員は、数年おきの転勤が職務上のルールです。持ち家を買った後に転勤辞令が来ると、選択肢は以下の3つに絞られます。
- 売る:ローン残高が売却価格を上回る「オーバーローン」になるリスク
- 貸す:銀行への相談・定期借家契約の手間・空き室リスク
- 単身赴任:家族と離れる・二重生活費で家計が圧迫される
いずれも大きなコスト・ストレス・リスクが伴います。「こんなはずじゃなかった」という後悔が最も多いのがこのパターンです。
単身赴任の二重生活費は年間100万円超えも
単身赴任を選んだ場合、家族の住む自宅のローン・生活費に加え、赴任先の家賃・生活費がのしかかります。
| 項目 | 月額(目安) | 年額 |
|---|---|---|
| 住宅ローン返済 | 約88,000円 | 約106万円 |
| 赴任先家賃 | 約60,000円 | 約72万円 |
| 二重生活費合計 | 約148,000円 | 約178万円 |
単身赴任手当があるとはいえ、家計への影響は甚大です。

転勤になっても持ち家があると動けないんだね…。単身赴任って家計がそんなに大変なの?

年間178万円の二重生活費になることもある。持ち家があるから売れない・貸せない・でも引っ越せないの三重苦になるよ。
後悔の理由②住宅手当がなくなって1,176万円を失った
持ち家を買った瞬間に、公務員の住宅手当(住居手当)の支給はゼロになります。国家公務員の持ち家手当は2009年に廃止済みです。
| 賃貸継続の場合 | 持ち家購入の場合 |
|---|---|
| 住宅手当:月最大28,000円 | 住宅手当:0円 |
| 35年累計:1,176万円 | 35年累計:0円 |
「1,176万円を捨てて持ち家を買う」という意識がないまま購入してしまい、後から「あの手当があれば…」と後悔するケースが続出しています。
→ 住宅手当をNISAに投資したら?公務員家庭の30年試算【FP解説】
後悔の理由③修繕費・維持費が想定外だった
持ち家の年間維持費は約40万円
多くの人が「ローン返済額=住居費」と勘違いしています。持ち家には毎年かかる維持費があります。
| 費目 | 年間目安 |
|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 10〜15万円 |
| 火災・地震保険 | 3〜5万円 |
| 修繕積立(外壁・屋根・設備) | 12〜20万円 |
| その他(管理費・雑費) | 5〜10万円 |
| 合計 | 約30〜50万円(平均約40万円) |
30年間の累計維持費は約1,200万円。これはローン返済額に上乗せされる「隠れコスト」です。
大規模修繕のタイミングで一気に出費
築10〜15年で外壁塗装・屋根修繕(約100〜200万円)、築20〜25年でキッチン・浴室のリフォーム(約100〜300万円)が必要になるケースが多いです。
「子どもの大学費用と修繕費が重なって家計が崩壊しそうになった」という声も公務員家庭では多く聞かれます。

修繕費って毎年かかるの?ローンとは別に?

そうなの!築10年で外壁塗装に100〜200万円、築20年でリフォームにまた100〜300万円。子どもの大学費用と重なると本当に大変です。
後悔の理由④ローンが重くてNISA・iDeCoに回せない
住宅ローンの月返済が8〜10万円になると、毎月の積立投資に回せる余裕がなくなります。
| 項目 | 賃貸(手当あり) | 持ち家(ローンあり) |
|---|---|---|
| 住居費の実質負担 | 家賃7万−手当2.8万=4.2万円 | ローン返済8.8万円 |
| 月のNISA積立余力 | +4.6万円分 | ±0(厳しい) |
| 30年後の差(年率5%) | 約1,300万円以上の差 | |
「老後はローン完済した家がある」と思っていたのに、NISAを積み立てられなかった結果、老後の流動資産が足りなくなるというパターンが増えています。
後悔の理由⑤不動産の流動性が低くFIRE計画が狂った
FIREや早期退職を目指していた公務員が、持ち家購入でつまずくケースがあります。
FIRE達成の条件は「生活費の25倍の流動資産」です。不動産は資産価値があっても、FIRE計算に使う「流動資産」には含めにくい。
- 住宅ローンがあると毎月の固定費が高く、FIRE達成に必要な積立額が増える
- 売りたいタイミングで売れないリスク(市況・買い手が見つからない)
- 「家があるからFIREできない」ではなく「家があるからFIREが遠のく」という本質
FIREを目指すなら、まず流動資産(NISAなど)を最大化してから、FIRE達成後に住む場所を考えるのが合理的です。私たちもこの方針で動いています。

FIREしたいなら持ち家より投資を優先したほうがいいってこと?

そう。家は「資産」でもすぐ換金できない。FIREに必要な「生活費の25倍の流動資産」に不動産は含めにくいんだ。まず投資を積み上げてから家を考えるのが正解。
それでも持ち家が向いている公務員の特徴
後悔の理由を5つ挙げましたが、持ち家が向いている公務員もいます。
- 転勤がほぼない地域・職種(市区町村の地方公務員など)
- 定年まで5〜10年以内で転勤リスクが低くなっている
- 退職金で一括または大幅繰り上げ返済できる計画がある
- 子どもの学区を固定したいという強い動機がある
- NISAやiDeCoが満額積み立てられている状態で余裕資金で購入
大切なのは「持ち家か賃貸か」ではなく、「自分の公務員キャリアとライフプランに合っているか」を数字で検討することです。
公務員が持ち家を買って後悔した理由5つ【まとめ】
この記事では、公務員が持ち家購入で後悔しやすい5つの理由を解説しました。
- ①転勤で身動きが取れない(売る・貸す・単身赴任の3択が全部つらい)
- ②住宅手当1,176万円を失う(NISAに回せば2,330万円になった試算)
- ③修繕費・維持費が年間約40万円・30年計1,200万円(想定外のコスト)
- ④ローンが重くてNISA・iDeCoに回せない(老後の流動資産不足)
- ⑤不動産の低流動性でFIRE計画が狂った(換金できない資産の罠)
持ち家の購入は人生最大の買い物。我が家も「転勤リスク」「住宅手当の喪失」「NISAへの影響」を数字で計算した結果、今は賃貸継続を選んでいます。
→ 公務員は賃貸vs持ち家?FP夫婦が全部解説【2026年完全版】
→ 住宅ローン中に転勤で賃貸に出すのは違反?公務員の正解を解説
※本記事は情報提供を目的としたものです。個別の住宅購入判断についてはFP・不動産専門家にご相談ください。


コメント