「賃貸のガス代、なんでこんなに高いんだろう…」その理由のひとつに、あなたのガス代に、部屋のエアコンやWi-Fi機器の代金が上乗せされていたという仕組みがあったのを知っていますか。
結論から言うと、この仕組みは法改正により2025年4月から禁止されました。この記事では、どういう仕組みだったのか、法改正で何が変わったのか、そして入居者のわたしたちが今すぐ確認できることを、実際にプロパンガスの賃貸で交渉して年10.5万円下げたわが家の視点で解説します。
※制度・情報は2026年7月時点のものです。最新情報は経済産業省の公式サイトをご確認ください。
賃貸のガス代に設備代が上乗せ?その仕組み【結論:もう禁止】
かつて一部のLPガス(プロパンガス)業界には、こんな商慣行がありました。
- ガス会社が、大家さんにエアコン・Wi-Fi機器・インターホン・給湯器などを無償で提供する
- その代わりに、その物件のガス供給契約を獲得する
- 設備にかかった費用は、入居者が毎月払うガス料金にこっそり上乗せして回収する
大家さんはタダで設備を整えられ、ガス会社は契約を取れる。でもその費用を負担していたのは、ガス料金として何も知らずに払い続ける入居者でした。プロパンガスが「都市ガスより高い」と言われてきた理由のひとつが、この見えない上乗せです。

エアコンの代金を、ガス代で払ってたってこと?

そういう物件があったんだ。明細に書かれないから気づけなかったんだよ。
法改正で何が変わったのか(2024年・2025年の2段階)
この商慣行を是正するため、液化石油ガス法(液石法)の省令が改正されました(2024年4月2日公布)。変更は2段階で施行されています。
①2024年7月2日から:過大な営業行為の制限
ガス会社が契約獲得のために、大家さんへ設備を無償提供するような過大な利益供与そのものが制限されました。違反には罰則規定もあります。
②2025年4月2日から:三部料金制の徹底と上乗せ禁止
- ガス料金は「基本料金」「従量料金」「設備料金」に分けて表示することが徹底されました(三部料金制)
- エアコンやWi-Fiなど、ガスの使用と関係のない設備費用をガス料金に計上することが禁止されました
- 賃貸住宅では、ガスコンロや給湯器などのガス器具(消費設備)の費用をガス料金に計上することも禁止されました
ただし、この計上禁止のルールは新規契約に適用されるものです。今すでに住んでいる部屋の契約(既存契約)については、ガス会社に早期の切り替えを促す「努力義務」にとどまり、罰則を伴う義務ではありません。「禁止されたはずなのに直っていない」契約もまだ起こり得るので、自分の検針票の確認が大切です。
さらに入居者保護として、賃貸契約を結ぶ前に、その物件のLPガス料金を確認できるようにするルールも整いました。「入居してから初めてガス代の高さに気づく」を防ぐための仕組みです。

じゃあ、もう安心していいの?

ルールはできたけど、自分の検針票の確認はやっぱり大事だよ。
入居者が今すぐ確認できる3つのこと
①検針票が「三部料金」で書かれているか見る
手元の検針票や請求明細に「基本料金」「従量料金」「設備料金」の内訳があるか確認しましょう。設備料金の項目がある場合、その中身が何なのかをガス会社に聞くことができます。
②自分の家の単価を計算してみる
内訳が書かれていない検針票でも、「請求額÷使用量」でおおよその単価が分かります。相場より大幅に高ければ、何かが上乗せされている可能性を疑うサインです。具体的な調べ方はこちらにまとめています。

③これから部屋を探すなら、契約前にガス料金を聞く
法改正により、入居希望者は賃貸契約の前にLPガス料金の情報を確認できるようになりました。内見のときに「この物件のガスの基本料金と従量単価はいくらですか」と聞くのは、もう当たり前の質問です。物件選びの判断基準はこちらでも解説しています。

賃貸のガス代上乗せ禁止のまとめ
- エアコン等の設備代がガス料金に上乗せされる商慣行が存在した
- 液石法の省令改正で、2024年7月に無償貸与などの営業行為が制限、2025年4月に上乗せ計上が禁止された
- 検針票の三部料金表示・単価の計算・契約前の料金確認、の3つで自衛できる
ルールが変わっても、単価が相場より高いままの家庭はまだあります。わが家が実際に大家さんへ相談してガス会社を変更し、年10.5万円下げた実録はこちらです。



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