「富士山って何を持っていけばいいの?」
富士登山を決めてから、我が家でいちばん時間がかかったのが装備選びでした。調べれば調べるほど「あれも必要・これも必要」と出てきて、何が本当に必要なのか迷いまくった記憶があります。
この記事では、初心者ファミリーが富士山を安全に登るために必要な装備を、「なぜ必要なのか」の理由・価格帯・購入場所つきで一覧にまとめました。
福岡から飛行機で遠征する我が家ならではの視点(レンタル活用・荷物の絞り方)もご紹介します。
はなきんは旅行会社勤務時代に山岳ツアーを担当した経験があり、登山装備の選び方については実務レベルの知識があります。その経験をもとに、初心者ファミリーが「本当に必要なもの」だけを絞り込みました。
※本記事は2026年のルール・情報をもとに執筆しています。
- 富士山初心者ファミリーに本当に必要な装備リスト
- 各装備が「なぜ必要か」の理由と価格目安
- レンタルか購入かの判断基準
- 2026年ルール(通行予約・QRコード)への対応方法
- 福岡など遠方から遠征する場合の荷物の絞り方
まずこれだけ揃えれば登れる|最優先3点
「全部揃えるのは大変…」という方は、まずこの3点だけ確保してください。それ以外はレンタルや代用品でも対応できます。
- ✅ 登山靴(ミッドカット以上)|スニーカーでは足首・膝を痛めるリスクが高い
- ✅ レインウェア上下(防水透湿素材)|晴れていても持たないと低体温症の危険がある
- ✅ ザック+ザックカバー(35〜40L)|荷物を入れるだけでなく、雨対策・体への負担軽減にも関わる重要装備
この3点は「登山の三種の神器」と呼ばれる最重要装備です。レインウェアとザックはレンタルでも対応できますが、登山靴だけは本番前に必ず履き慣らしが必要なため、できれば事前に購入しておくことをおすすめします。
登山靴やザックは、モンベルなどのメーカー品を中古(メルカリ等)で探すという選択肢もあります。ただしゴム底の加水分解リスクがあるため、製造時期を確認してしっかり点検してから使うのがポイントです。わが家は実際に登山靴とザック(モンベルのガレナパック)をメルカリで購入し、登山後は売却する前提で活用しています。
富士山登山の装備チェックリスト一覧
| カテゴリ | アイテム | 優先度 |
|---|---|---|
| 三種の神器 | 登山靴(ミッドカット以上) | ★★★ 必須 |
| レインウェア上下(防水透湿素材) | ★★★ 必須 | |
| ザック+ザックカバー | ★★★ 必須 | |
| 衣類 | 速乾アンダーウェア(化繊) | ★★★ 必須 |
| 防寒着(フリース・ダウン) | ★★★ 必須 | |
| 登山用靴下(ウール厚手) | ★★☆ 推奨 | |
| 帽子(ツバ広) | ★★☆ 推奨 | |
| 手袋 | ★★☆ 推奨 | |
| サングラス | ★★☆ 推奨 | |
| 必携品 | ヘッドランプ+予備電池 | ★★★ 必須 |
| 飲料水(1〜1.5L) | ★★★ 必須 | |
| 行動食(チョコ・アメ等) | ★★★ 必須 | |
| 現金(100円玉15枚以上) | ★★★ 必須 | |
| スマホ+モバイルバッテリー | ★★★ 必須 | |
| 入山証(QRコード) | ★★★ 必須 | |
| 健康保険証・ゴミ袋・トイレットペーパー | ★★☆ 推奨 | |
| 初心者・子ども向け | トレッキングポール | ★★★ 推奨 |
| スパッツ(ゲイター) | ★★☆ 推奨 | |
| ヘルメット | ★★☆ 推奨 | |
| マスク(砂埃対策) | ★★☆ 推奨 | |
| 耳栓・アイマスク(山小屋用) | ★☆☆ あると便利 | |
| 携帯カイロ | ★☆☆ あると便利 |
★★★=安全に関わる必須アイテム ★★☆=快適さ・体力温存に効果大 ★☆☆=あると助かる便利グッズ
三種の神器|これがないと登れない
登山靴|足首サポートとソールが命【目安:8,000円〜3万円】
富士山の登山道は溶岩と砂利で構成されており、不安定な足場が続きます。ミッドカット以上の登山靴が必要な理由は主に2つです。
- 足首の捻挫防止:不安定な岩場・砂利道での横方向のブレを抑える
- 滑り止め効果:登山靴のラグソールは砂利道でのグリップ力が段違い
スニーカーでの登山も不可能ではありませんが、下山時の膝・足首への負担が大きく、転倒リスクも高まります。必ず本番前に数回履き慣らしてから登りましょう。新品のまま登ると靴擦れで地獄になります。
子ども用は?キッズサイズの登山靴はモンベル・好日山荘などの登山専門店に在庫が多いです。Amazonでも購入できますが、子どもの足は試着して選ぶのがベター。
購入先:モンベル・好日山荘・石井スポーツ(試着推奨)、Amazon・楽天でも購入可。ホームセンターのトレッキングシューズはソールが弱く非推奨。
レインウェア上下|晴れていても必ず持つ理由【目安:1万円〜3万円】
「晴れの日に登るからカッパはいらない」は大きな誤解です。
富士山は午後から急速に天候が崩れることで有名で、朝晴れていても昼過ぎには雷雨になるケースが珍しくありません。また高度が上がるほど気温が下がり、雨に濡れると体温が急速に奪われます(低体温症のリスク)。
必ず「防水透湿素材(ゴアテックス等)」の上下セパレートタイプを選んでください。ビニールカッパは防水性はあっても透湿性がなく、内側が蒸れやすく体を冷やすリスクがあります。
購入先:モンベル・パタゴニア・Columbia等の登山ブランドが信頼性高め。1万円以下の製品は透湿性が低いことが多く、雨の中で長時間行動するには不安。
旅行会社勤めのときに山岳ツアーを担当した経験から、ゴアテックスの大切さは身に染みています。ビニールカッパは蒸れて体が冷えるので絶対にやめましょう。

山小屋ってカードで払えると?

僕、財布にカードしか入れてなくて山小屋で焦ったことがあるばい。富士山は現金社会けん、小銭を多めに準備しとくのは絶対必要たい!
行動食・飲料水
- 飲料水:最低1〜1.5L。山小屋でも購入可能ですが1本500〜600円程度と割高
- 行動食:チョコレート・アメ・ゼリー飲料・おにぎりなど。すぐ取り出せる場所に入れておく
- 子ども用:好きなお菓子をおやつポーチに入れておくとモチベーション維持に効果的。疲れてきたときの「切り札」として使おう
2026年ルール対応|QRコードとスマホ管理
- 吉田ルート(山梨県側):通行予約の完了画面をスクショ保存
- 静岡側ルート:「FUJI NAVI」アプリでの事前登録
低温でバッテリーが急激に減るため、モバイルバッテリー(10,000mAh以上推奨)は必ず用意しましょう。ザック内に入れておくと温度低下を多少抑えられます。【目安:2,000円〜4,000円】
詳しい入山予約の手順は富士山14時ゲートの突破法でまとめています。
子ども・初心者にあると安心な装備
トレッキングポール|膝への負担を半減させる【目安:3,000円〜1万円(2本セット)】
下山時に膝がガクガクになるのは富士登山あるある。特に砂走り(砂礫の急斜面の下り)は膝への衝撃が大きく、トレッキングポールがあると体重を分散できます。
子どものポールは必要?身長120cm以上の小学生なら使用可能なキッズ用ポールがあります。ただし使いこなすのに慣れが必要なため、事前に練習しておくのがおすすめです。
スパッツ・ヘルメット・マスク
- スパッツ(ゲイター):下山の砂走りで靴の中に砂利が入るのを防ぐ。これがないと靴の中が砂だらけに。子どもも必ず用意を【目安:1,500円〜3,000円】
- ヘルメット:落石事故・転倒時の頭部保護。2026年現在、富士山では装着が強く推奨されている。子ども用サイズもあり【目安:3,000円〜(キッズ)】
- マスク:下山時の砂埃は想像以上に激しい。普通の不織布マスクで十分効果あり
山小屋グッズ・その他便利アイテム
- 耳栓・アイマスク:山小屋は相部屋が基本。他の登山者の物音・いびきで眠れないと翌朝がつらい
- 携帯カイロ:山頂でご来光を待つ時間帯(夜明け前)は体感温度がかなり低い
- ボディシート:富士山にはお風呂がないため、山小屋で体を拭くのに重宝する
- 下山後の着替え:五合目のコインロッカーに預けておき、帰りに着替えてリフレッシュ。福岡への帰路が快適になる

耳栓、絶対持っていくばい!山小屋って大人がたくさんおって、いびきとか音でなかなか眠れんっていうけんね。ちゃんと準備しとかんと!

そうたい!耳栓とアイマスクは必須アイテムばい。僕も忘れて眠れんかった経験があるとよ
実際に登ってわかった、このリストの”答え合わせ”
チェックリストは万全に見えても、実際に登ると「持ちすぎた」「これは要らなかった」が必ず出てきます。わが家の登山後のリアルな答え合わせを、正直に共有します。
△ 持ちすぎた:家族分の水
一番の反省は、家族全員分の水を最初から背負ったこと。とにかく重くて体力を削られました。吉田ルートなら山小屋を通過するたびに買えます(1本500〜600円と割高ですが)。最初は少なめに持って、山小屋で買い足すほうが断然ラクでした。
◎ 助かった:行動食(おにぎり・バナナ)
山小屋泊のペースは「1日目の昼ごろ登山開始 → 翌日の昼ごろ下山完了」のイメージ。行動時間が長いので、すぐ食べられるおにぎりやバナナが本当にありがたかった。疲れて食欲がないときでも、バナナは口に入れやすくエネルギーになりました。
◎ 意外な当たり:イヤホン×スマホアプリの音声アナウンス
これは想定外に効きました。登山アプリとイヤホンをつないで、標高や経過時間を定期的に音声で知らせてもらったんです。「今どのへんか・あとどれくらいか」が耳で分かると、子どもも大人もペースを保ちやすく、モチベーション維持に大きく役立ちました。
◎ 大人のささやかな楽しみ:小瓶のウイスキー
完全に趣味の範囲ですが、小瓶に少しだけウイスキーを入れて持参。ご来光待ちの冷える時間のご褒美になりました。ただし高地はお酒が回りやすく高山病のリスクも上がるので、飲むならほんの少量に留めるのが安心です。
△ 飛行機遠征の落とし穴:バーナーのガス缶は空港で没収
温かい飲み物を…とバーナーを持っていこうとしたのですが、燃料のガス缶は飛行機に積めず、空港で没収されてしまいました。ガス缶は航空機では持ち込み・預け入れとも禁止の危険物です。福岡から飛行機で遠征するなら、燃料は現地調達が前提。そもそも山小屋泊なら温かい食事は山小屋で頼めるので、無理に持たない判断も十分アリでした。

水、たくさん持っていったんじゃないと?

それが重くてね。吉田ルートは山小屋で買えるけん、持ちすぎんほうがよかったばい。
実際の装備チェックはどうだった?(吉田ルート・2026年)
2026年の吉田ルートでは、五合目付近で軽装備の登山者を対象にした装備チェックが行われています。「チェックで止められたらどうしよう」と不安な方も多いと思いますが、わが家が実際に受けたチェックは、想像よりずっと簡易的でした。
- カバンの中身まで開けて確認されることはなかった
- 口頭で「防寒着は持っていますか?」と聞かれる程度
- 足元はモンベルの軽登山靴(マウンテンクルーザー200)でしたが、特に指摘なし
とはいえ、これは「チェックが緩いから軽装備でOK」という意味ではありません。装備は”チェックのため”ではなく”自分と家族の安全のため”に揃えるもの。最優先3点(登山靴・レインウェア・防寒着)だけは必ず準備してから臨んでください。
装備はレンタルか購入か?
フルセットレンタルの活用|福岡からの遠征に特におすすめ
「やまどうぐレンタル屋」などのサービスでは、登山靴・レインウェア・ザックなど必要な装備をセットでレンタルできます。
- フルセット(12点程度)で1〜2万円前後が目安
- 五合目での受け取り・返却に対応しているサービスもある
- 飛行機の荷物制限がある福岡からの遠征では特に有効な選択肢
- デメリット:靴を事前に履き慣らせない(靴擦れリスクあり)
レンタルと購入の使い分け
| レンタル | 購入 | |
|---|---|---|
| 向いている人 | 今回だけ登る予定の方 | 来年以降も登山を続けたい方 |
| コスト | 1〜2万円(セット) | 合計5〜10万円程度 |
| 注意点 | 靴を事前に慣らせない | 選び方・履き慣らしが必要 |
荷物の預け方については富士山登山の荷物をどこに預ける?もあわせて参考にしてください。
飛行機で荷物をたくさん持っていくのは大変です。五合目で受け取れるレンタルサービスがあるので、活用すると身軽に登れます。
富士山登山の装備チェックリスト|まとめ
- まず最優先3点(登山靴・レインウェア・ヘッドランプ)は絶対に妥協しない
- 衣類は化繊素材のレイヤリングが基本。綿素材はNG
- 現金(100円玉)・スマホ管理・QRコードは富士山特有の必須事項
- 子ども・初心者はスパッツ・ヘルメット・ポールで安全対策を強化
- 購入先はモンベル・好日山荘などの登山専門店が試着できて安心。Amazonも可
- 福岡からの遠征ならフルセットレンタル+五合目受け取りも賢い選択
装備が整ったら、登山当日の流れや準備ロードマップも確認しておきましょう。

参考情報
持ち物を全部まとめて確認したい場合は、下記の完全版リストもどうぞ。



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